2014年08月16日

お勧めの面白い本★『ポケット詩集』

昔の少年・少女は詩をよく読んだものだ。

それも、とびきり上等の詩ばかりを、だ。

そしてよく考え、「足る」を知った。


みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。

子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい。


いい詩は生きる歓びにあふれている。

そんな志の高い詩を読むと、何かがわかり、自分が豊かになる。

雨ニモマケズ、わたしを束ねないで、自分の感受性くらい、ゆずりは、ぼろぼろな駝鳥など、とびきりの詩を収録する。


子どもたちよ、ポケットにナイフや危険ドラッグを入れる代わりに、この本をいれなさい。



一度は読んだことがある詩がたくさん掲載されており、大人になって今またゆっくり味わって読みたい本です。


オムニバス形式の詩集ではダントツにおススメ。

詩が好きな人も、あまり興味のない人も、読んでもらいたい。

国語の教科書に載っている詩と詩人を中心に、厳選された三十三編。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」から茨木のり子「自分の感受性くらい」まで、どれ一つとっても、大海のように厳しく優しい詩たち。


読んでいるとふいに涙がこぼれました。悲しくなくても、人は感動したときにこんなふうに涙がこぼれるんだと新鮮な思いがしました。

知らず知らずのうちに心が乾いていたみたいです。言葉の雨がやさしく染み込んできました。

忙しい人にこそ読んでほしいです。








ラベル:詩集
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2014年08月15日

お勧めの本『タイムライン』マイクル クライトン

お勧めの本『タイムライン』マイクル クライトン

フランスにある14世紀の遺跡で大学の歴史調査チームが発掘したのは、なんと現代製の眼鏡のレンズと助けを求めるメモだった。

その直後、調査チームはスポンサーでもある巨大ハイテク企業ITCによって緊急に呼び出された。

遺跡発掘の責任者であるジョンストン教授の救出に協力してほしいというのだ。

リーダーのマレクをはじめ、チームのメンバーたちは耳を疑った。

その行き先というのが、14世紀のフランスだったからだ。


出てすぐに買って、初めて読んだときはかなり興奮しました。

しばらく私のベスト1の本でした。

今回映画化になって、読んでから数年たっていたのでまた読み直してみたら、前回読んだときよりさらに入り込むことができて、すごく楽しかく読めました。

映画とは話がぜんぜん違うので、映画は観たけど小説はまだという人はぜひぜひ読んでみてほしいと思います。

アンドレが好きで、<私はよい人生を選んだ>という言葉がかなり心にきます。最後の数ページは何度も読んでしまいます。

私は量子論はあまり分からないので歴史物語の感覚で読みました。



砂漠の真っ只中で倒れていた老人、遺跡から発見された「HELP ME」と書かれたメモ、奇妙な変死……謎の痕跡を辿っていった先にあったのは、「タイムライン」であった。

5人の若者が14世紀に取り残された教授を救出すべく《現在》を旅立った。

量子工学を応用したタイムトラベル(厳密にいうと‘移動’ですが)が題材になったSFです。

誰も取り上げないような題材、しかも知性的なおもしろさが感じられるのは、マイクル・クライトンだからでしょう。

既に映画になった「ジュラシックパーク」と同じくらいのおもしろさがあるといっても過言ではありません。









posted by ホーライ at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | SF・ミステリィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月29日

お勧めの面白い本★『幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉』

【お勧めの面白い本】


お勧めの面白い本★『幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉』


高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。

馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。

児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。

女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。

山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。



重い話である。

しかしこのテーマに正面から向き合って、ストーリーを語り尽くさなければならない、と言う作家の使命感が伝わってくる。

凄い作家だ。



昔だったら石川達三、ちょっと斜に構えたら倉橋由美子などが取り上げそうなテーマに思える。



家庭内暴力を切り口に、親子の愛、対話の重要性、人同士の信頼とその回復など、いろいろな課題を筆者は投げかける。

各登場人物には言動に至る理由があり、アプローチの仕方には硬軟があるが、みんなそれなりの正当性がある。

彼らは自分の中の二面性に気づき悩み苦しむのだが、自分一人では問題を処理しきれず悶々として追いつめられてしまう。

彼らを救うことが出来るのは対話が出来る相手だ。

対話が理解を生む、まずは対話に至る道を切り開くこと。


そういうメッセージも発信しているようだ。


ここに作家の信じる人間の本来の姿、救いに至る道があるように思える。

登場人物も読者も、そしておそらく作家自身も答えを見いだそうともがいている。

・・・そんな印象を抱きながら読んでいると文庫版5分冊もあっと言う間だ。





幻世(まぼろよ)の祈り

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価格:562円(税込、送料別)




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