2007年07月31日

「原爆はしょうがない」と言った大臣に読ませたい『夕凪の街桜の国』

原爆が投下されてから10年たった頃の物語。

それは、日本人の悲しみというよりは、人間の悲しみである。

いや、それは単純に「悲しみ」という言葉では言い表せない。

本の帯にはこうあった。

「読後、まだ名前のついていない感情が、あなたの心の深い所を突き刺します。」

そう。名前なんてつけようがない、感情が胸の奥から湧いてくる。

こういう作品が世の中にあることを、まず驚く。


人間が何かを訴えたいとき、声高に叫ぶだけがいいわけではない。

むしろ、この本のように静かに語りかけられたほうが、心に響くこともある。

世の中を変えたいと思ったら、ひとり静かに、だけど、精魂込めて何かに打ち込む、ということもありなんだ。


また、8月がやってきた。

ヒロシマもナガサキも、アメリカもニホンも頭を垂れ、静かに祈り、考える時だ。


子どもに絶対に読ませたい本だ。


人間は悪魔にも天使にもなれるのだ、と。


この本を読み返し、泣けるうちは、僕もまだ、人間なんだなと思う。少なくともね。


夕凪の街桜の国




夕凪の街桜の国








より良く、より楽しく生きるためのお薦め本、人生を豊かにする本

お勧めビジネス本。仕事に役立つ本

科学入門図書

治験関係者に役立つ本

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2007年07月27日

大丈夫!みんなあなたのことが好き―職場の人間関係がラクになる22の処方箋

●多くの人が抱える職場でのストレス、上司・部下・同僚との間に生じる人間関係の悩みを解消する秘訣が分かりやすく、かつ具体的に書かれている。

●営業マン・経営者として活躍した後、「心の学校」を設立し3万人以上の心の深層を見つめてきた著者が体得した、職場の人間関係をラクにする22の処方箋。

●働くすべての人に贈る一冊です。


職場を改善するのか。

上司を改善するのか。

それとも、あなた自身を改善するのか。

いずれにせよ、いまの職場の人間関係に問題があるなら、愚痴を言っているだけでは何も解決しないのだ。


「早く定時にならないかなぁ」

「早く土日が来ないかなぁ」


そんな願いしか持てないようでは寂しいじゃないか。(寂しいよね?)


「早く月曜が来て、会社に行きたい!」

日曜日の夕方に、心からそう思える、そんなワクワクするような職場にしようじゃないか。 (せめてね。)


そんなときに、この本は一服の清涼剤にもなるし、あなたがの肩の荷を降ろす手伝いをしてくれます。



大丈夫!みんなあなたのことが好き





大丈夫!みんなあなたのことが好き―職場の人間関係がラクになる22の処方箋






【有名人・無名人語録】

1日1言、今週の2言
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「心のブレーキ」の外し方 仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー

「心のブレーキ」とは、誰もが心の奥底に持つ「潜在意識の現状維持メカニズム」のこと。

このメカニズムが働く限り、あなたの人生は変わらない、と言う。

頭(顕在意識)で何を考えても、潜在意識がブレーキを踏むからだ。

「頑張ってもうまくいかない」

「ヤル気が出てこない」

「こんなはずじゃなかった」

…などの原因は「心のブレーキ」なのだ。


本書では、その「心のブレーキ」の外し方を初紹介している。



付属のCDが充実している。

潜在意識系の本では、かなり最高に入るのではないだろうか。

なによりも机上の空論だけでなく、「実際に行動」へと向かわせる本書のパワーは体験してみて感じてみることが大切だ。


内容も精読する価値があり、三回くらい読み返すとさらに効果がある感じ。

面倒な人は、CDがおすすめなので買っても損はないでしょう!


と言うか、僕には「心のブレーキ」を『踏む方法』のほうが必要かもね。



「心のブレーキ」の外し方





「心のブレーキ」の外し方〜仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー〜







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架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

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2007年07月21日

会社組織における「一瞬の風になれ」

★2007年度本屋大賞、吉川英治文学新人賞受賞の「一瞬の風になれ」。

高校の短距離走者の物語。

高校の陸上部を舞台に、サッカーを断念し陸上スプリンターに挑む主人公"新二"の友情、ほのかな思い、ライバル等を爽やかに描いた陸上青春小説。

二人の主人公が高校3年間を成長していく姿も「わくわく」する。

また、高校の陸上部が舞台なので、先輩、後輩、マネジャー、陸上部の先生、同級生など等の「学校」ならではの心温まるストーリーも展開している。


これってさ、「高校の陸上部」だから、そういう「先輩、後輩などの繋がり」が書かれて、読者にうったえるものがあるけれど、「会社」という「組織」では同様なことが書かれたりするのだろうか?

「会社や組織」は「高校の陸上部」と違って、そんなアマッチョロイもんではない! とあなたなら言う?

そうかな。

逆に、じゃ、「高校の陸上部」はそこに所属している部員にとって、「アマッチョロイ場所(組織)」なのかな?


まぁ、じゃぁさ、100歩譲ってそうだ(そんなアマッチョロイもんではない)としても、その中で「先輩、後輩などの繋がり」が心温まることって、期待してはいけないのだろうか?

そういうことが「仕事」を通じて、有ってもいいよね?

駄目?

駄目の理由は?

僕はそういうことが「仕事」を通じても有り得て、そしてそれは「部活」という組織が「高校生」を育てるように、会社においては従業員の成長に繋がるのではないかと思うのですが。


やっぱり、甘い?


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2007年07月19日

「ランナー」「一瞬の風になれ」「風が強く吹いている」「長距離走者の孤独」「炎のランナー」

去年、今年と「陸上」の物語が発刊され、人気を博している。


★一番新しいものとしては、あさのあつこの「ランナー」。

高校の長距離選手の物語。

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の加納碧李は、複雑な境遇の妹を案じ、陸上部を退部することを決意した。
だがそれは、たった一度レースに負けただけで走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳だった。
走ることから、逃げた。
逃げたままでは前に進めない。
碧李は、再びスタートラインを目指そうとする―。

家庭環境やら恋愛も物語に幅を持たせ、爽やかな物語。
ちなみに、「陸上もの」は全て「爽やかな物語」に決まっている。


ランナー







★2007年度本屋大賞、吉川英治文学新人賞受賞の「一瞬の風になれ」。

高校の短距離走者の物語。

高校の陸上部を舞台に、サッカーを断念し陸上スプリンターに挑む主人公"新二"の友情、ほのかな思い、ライバル等を爽やかに描いた陸上青春小説。
二人の主人公が高校3年間を成長していく姿も「わくわく」する。


一瞬の風になれ(3冊セット)







★「風が強く吹いている」

箱根駅伝を目指す物語。

走るために生まれながら、走ることから見放されかけていた清瀬と蔵原。
二人は無謀にも陸上とは無縁だった八人と「箱根」に挑む。
走ることの意味と真の“強さ”を求めて……。
新直木賞作家の本領全開、超ストレートな大型青春小説。

10人の若者群像がまた面白い。それぞれにキャラクターにも特徴があり、イキイキとしている。


風が強く吹いている







★古典的名著の「長距離走者の孤独」

感化院に入った少年の物語。
短編だが、物語の奥は深い。

「爽快」よりも「潔い」という形容詞が似合っているかも。
イギリス版「ライ麦畑でつかまえて」だ。


長距離走者の孤独







★言わずと知れた「炎のランナー」

こちらは映画。
アカデミー賞4部門受賞の友情ドラマ。

1924年のパリ・オリンピック陸上短距離で祖国イギリスに金メダルをもたらした2人の若者がいた。
ユダヤの血をひいている為、言われなき差別と偏見を受けてきたハロルド。
彼にとって走ることは偏見に勝利することであった。
一方、宣教師の家に生まれたエリックは神のため、信仰のため走った……。


炎のランナー






以上、みんな「泣ける」作品です。

ちなみに、僕は自分が短距離ランナーだったので「一瞬の風になれ」が一番好きです。




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2007年07月17日

『この文庫がすごい! 2007年版』(宝島社)の文庫オブ・ザ・イアー2007の第一位&日本ファンタジーノベル大賞受賞作・・・『太陽の塔』

がははは!笑えたぞ!!

のっけからの『キャッチャーインザライ』(ライ麦畑でつかまえて)には驚かされたし、文体は今は懐かしい庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』風だし、知っている人なら37倍は楽しめる。

もちろん、そんなの知らんぞ、という人も楽しめる。(あ〜〜ぁ、可笑しい!)

『この文庫がすごい! 2007年版』(宝島社)の文庫オブ・ザ・イアー2007の第一位に堂々選ばれただけのことはある。

日本ファンタジーノベル大賞受賞作でもあるぞ。


どんな内容かというと・・・・・・


私の大学生活には華がない。

特に女性とは絶望的に縁がない。

三回生の時、水尾さんという恋人ができた。

毎日が愉快だった。

しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!

クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。

失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


・・・・・・とまぁ、そんな内容なのだが、内容も、そりゃもちろん、いいのだが、それよりも軽快でユニークな文章とキャラクターの濃さは印象に残り続けるぞ。


うん、満足のいく本でした。

な〜〜〜んにも考えずに楽しむだけのエンタィメント抜群の本です。

楽しめること、この上ない。


太陽の塔




太陽の塔






より良く、より楽しく生きるためのお薦め本、人生を豊かにする本

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2007年07月10日

遺書をやぶり捨て、この本を手にとってごらん

ここに小さな詩集がある。

その名も『ポケット詩集』。

本当にポケットに入る大きさの詩集だ。

しかし、見くびってはいけない。

この詩集の中に収められている詩は、それぞれの作者が身を削る思いで、丹念に磨いた言葉でできている。



たとえば、人生に疲れてしまったら、井上ひさしの『なのだソング』を読むといい。

たとえば、自分が堕落してきたと思ったら、茨木のり子の『自分の感性ぐらい』を読むといい。

たとえば、一人さびしい夜を過ごしているときは、谷川俊太郎の『朝のリレー』を読むといい。



この詩集の編者の田中和雄氏は言っている。

「少年よ、ポケットにナイフを忍ばせる代わりに、一冊の詩集を忍ばせて欲しい」と。

しかし、田中氏は言うべき相手を間違っている。

僕ならこう言う。

「大人よ、ポケットに自殺用の『遺書』を忍ばせる代わりに、この詩集を読んで欲しい」と。



詩人の茨木のり子さんはこう言っている。

・いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。

・良い詩は瞬時に一人の人間の魂を、稲妻のように見せてくれます。



自分の心が、いつのまにか自分以外のモノに飼いならされてしまったと思ったら、この中の3冊のどれか1冊を買い、そして、その中のどのページでもいい、開いて、詩を読んでごらん。

きっと、新しい水平線が見えてくるはず。

きっと、未開の荒野が見えてくるはず。


さ、遺書をやぶり捨て、スーツを脱ぎ捨て、鞄を窓から放り投げ、詩を読もう。

自分が正しく自分らしく、自分のために生きる以上に大切なことなんて、この世の中にはない。



【ポケット詩集】

ポケット詩集




ポケット詩集(2)




ポケット詩集(3)





ポケット詩集




ポケット詩集〈2〉




ポケット詩集〈3〉







より良く、より楽しく生きるためのお薦め本、人生を豊かにする本
posted by ホーライ at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩集、俳句、短歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする