そんなクライム・エンターテイメント小説の気鋭が、事実を基に練り上げ1年をかけて書き下ろした意欲作が本書『ワイルド・ソウル』である。
国の無責任な移民政策による被害者たちの怨恨という難しいテーマを、きめ細かく鮮やかに料理し、読者を突き抜ける爽快感へと導く。
大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した作品ということでかなり期待値が高かったのだが、その期待をさらに上回る出来で、次のページをめくるワクワク感を与えてくれる本に久しぶりに出会った。
悲劇の日系ブラジル人たちを主人公に据え、おもに日本とブラジルの両国を舞台にフィクションを重ねて描くスタイルで、そのスケールとリアリティと展開の速さには圧倒させられた。
「やってくれるじゃん!」と思わず独り言をつぶやいた。
ハードボイルド系を好む女性と男性にお薦めの1冊である。
特にラストシーンが爽快でいい!
(最後の最後まで、この物語の「貴子ちゃん」が僕は大好きだ。)
●ワイルド・ソウル

●ワイルド・ソウル
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