2011年02月08日

おすすめ小説『ライ麦畑でつかまえて』或いは「キャッチャー・イン・ザ・ライ」

大学2年の冬、ある本屋でこの小説を買った。
それまで『ライ麦畑でつかまえて』という本を知らなくて、本のタイトルに惹かれて買った。

なんて素敵なタイトルだろう。一体、何の話しなんだろう? 恋愛ものかな? という感じで買った。

今でも本当に思う。「なんて素敵なタイトルだろう。なんてミステリアスなタイトルなんだろう。」

僕はこれまでの生涯のうちタイトルだけ本を買うことも数回あるが、これはその筆頭にあたる。


ところで、タイトルに惹かれて購入したけれど、出だしからして読みにくい。
男の子の話し言葉で書かれているのだ。
それも、風邪をひいて、グランドの丘に立つ、ホールデン・コールフィールドという男の子の独り言で始まる。

途中で挫折したこと数回。読みにくいたらありゃしない。

でも、何か惹かれる文体だ。

ということで、4度目か5度目のチャレンジで、ようやく完読した。

とにかく最初の30ページ程度まではその文体に慣れるまで時間がかかるが、慣れてくると、その文体が心地よくなり、どんどん主人公に感情移入でき、小説の世界が目の前に広がってくる。


この『ライ麦畑でつかまえて』は主人公の少年のホールデン・コールフィールドが大学(成績不良で退学になったところから始まる)から自宅に帰るまでに3日間を世界として書いているが、大きな事件が起こることもなく、ホールデン・コールフィールドのなんてことない日常が描かれている。

でも、それが心地よい。(村上春樹の『風の歌を聴け』と同じ感覚になる。)


本書の問題の出だしはこうだ・・・・・・・

――もし君が本当に僕の話を聞きたいんだったら、おそらく君が最初に知りたいのは、僕がどこで生まれただとか、しみったれた幼年時代がどんなものだったかとか、僕が生まれる前に両親はどんな仕事をしていたかなんていう「デビッド・カッパーフィルド」調のやつなんだろうけど、僕はそんなこと話す気になんてなれないんだな。第1、そんなの僕自身退屈なだけだし、第2に、もし僕が両親についてひどく私的なことでも話したとしたら、2人ともそれぞれ2回ずつくらい頭に血を上らせることになってしまうからね――。


1951年に出版されてから今日まで、ずっと若者のバイブルとして読み継がれている。

インチキとまやかしと欺瞞と嘘に満ちた大人の世界に反発し、反抗し、行き場のない思春期の孤独感、疎外感、エネルギーを自分の内に抱え、スラングに満ちた鋭く攻撃的な言葉を吐き出すホールデンの姿に、若者たちは共感した。

しかし、ホールデンはその場所にずっと留まってはいない。

彼は、このインチキと嘘に満ち満ちた大人の世界から逃げ出すのではなく、反発する心を抱えたままで、この世界を生きてゆくことを決意する。


・・・・・・というわけだ。

ジョン・レノンを暗殺した犯人が犯行時に持っていた本としても有名だ。

僕は本書を大学時代に「野崎 孝」の訳で読み、数年前に「村上春樹」の訳でも読んだ。
どちらも甲乙つけがたい名訳になっている。

ちなみに著者のJ.D.サリンジャーは今年、2010.1.27に亡くなった。サリンジャーは一切、マスコミに出ない人としても有名だった。

青春の正義感と爽快感とやるせなさと家族愛、そして、僕の人生とは、そんなことを考え、感じさせてくれる、青春小説のバイブルですが、50歳を過ぎた僕でも読んでいて、胸が苦しくなり、ほとんど涙目で読んでいる。


本書は間違いなく、僕の心に「傷をつけてくれた」。

あなたもホールデン・コールフィールドと自分の「ぎざぎざハート」に触れてみませんか?



キャッチャー・イン・ザ・ライ





【送料無料】キャッチャー・イン・ザ・ライペーパーバック・





■■■ 続きはこちら ■■■
   ↓
「おもしろい本、面白い小説、おすすめ本のランキング、お奨めの小説」の紹介サイト
ラベル:青春もの
【関連する記事】
posted by ホーライ at 04:32| Comment(0) | TrackBack(0) | より良く生きるために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。