「箱根駅伝いいっす。これは小説になる!」
以来、駅伝経験者を訪ね、H大とD大に取材を申し込み、早朝の練習や高原の夏合宿に随行、記録会や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行。
構想・執筆6年、ここに本邦初の王道「青春小説」が誕生した。
箱根駅伝をめざす若者たちを通して、自分と向き合い、ひとり孤独に戦いながらも、確実に誰かとつながってゆく生きるための真の「強さ」を高らかに謳いあげた青春小説。
寛政大学4年の清瀬灰二は肌寒い三月、類まれな「走り」で夜道を駆け抜けていく蔵原走に出くわし、下宿の竹青荘に半ば強引に住まわせる。
清瀬には「夢と野望」があった。
もう一度、走りたい、駅伝の最高峰、箱根駅伝に出て、自分の追求する走りを見せたい。
その「夢と野望」を「現実」にするにはあと一年しかない。
そしていま強力な牽引者が彼の目の前に現れたのだ。
竹青荘は特異な才能に恵まれた男子学生の巣窟だった。
清瀬は彼らを脅しすかし、奮い立たせ、「箱根」に挑む。
たった十人で。蔵原の屈折や過去、住人の身体能力と精神力の限界など、壁と障害が立ちはだかるなか、果たして彼らは「あの山」の頂きにたどりつけるのか。
お正月に「箱根駅伝」を観る人も、観ない人も楽しめる「人間の成長」の物語。
ただ、この『風が強く吹いている』を読むと、「箱根駅伝」が3倍は楽しめる。
読み終わった時には、自分もまるで「箱根駅伝」を走り抜けたような爽快感がある。
僕は自分も中学校時代は「短距離」をやり、働き始めてからは「駅伝」と「フルマラソン」を走っているので、ここに登場する若きランナー達の心理描写がたまらなく良かった。
でも、じゃ、走ったことが無い人は、この本がつまらないかというと、とんでもない!
「なるほど、こんなことを考えて走っているのね。」と思えるし、「何故、苦しいのに走るのか?」という疑問にも答えてくれる。
とにかく、素人集団が天下の「箱根駅伝」を目指すという設定なので、多少、無理があるが、その無理さが、またたまらなくいい。
「駅伝」という孤独でありながら、チーム仲間意識を強烈に感じさせる競技だからこそ、実際の駅伝でもドラマが生まれるし、フィクションにおいても読む人に感動を与えてくれる。
これは「駅伝」というスポーツを通して人間がどん底から成長していき、チームの中に愛しいほどの戦友が生まれるまでを描いた、天下一品の青春群像ドラマになっている。
読者もまた、『風が強く吹いている』を通して成長するのだ。
最近、生活や思考がすさんでいるな、と思っている人には特にお勧めします。
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