誘拐、家出、神隠し、いやそれとも…
調査をはじめたフリーライターの冴子は未曾有の世界的変異を嗅ぎとる。
彼女の父もまた18年前に忽然と消息を断っていた―。
「リング」シリーズ以来10年ぶりに解かれた封印。
超野心的ホラー小説最終形。
この手の小説に弱い(すぐに惚れる)僕なのだ。
数学の美しさ、素粒子物理学、宇宙物理学、古代文明の謎、カンブリア紀の大爆発、恐竜の絶滅の謎、生命誕生の理由・・・・・・・僕の好きなファクターばかりを集めた小説で、まるで、僕のために書いてくれたのではないかと思われるほど、ドンぴしゃで来た小説だ。
もし、上記の言葉にビビッと来たら、あなたもこの本のファンになるはず。
この宇宙を構成している物質は「星」と「生命」だけだ。
そして、この宇宙は数学(情報)で表現できる。
と言うことは、この世界を構成しているのは「光」と「情報」なのではないか、という大胆な仮説のもとに『エッジ』は書かれている。
その危うい数学の前提が崩れたら、この世界はどうなるのか? という設定で話が進む。
たとえば、ある日、パイ(数学のパイね。π)が無限ではなく(超越数ではなく)、有限の数で(有理数として)コンピューターが弾きだしたら、その瞬間から、この宇宙の成り立ちそのものが狂ってくる。
昨日までの大前提が崩壊したら、宇宙はどうなるのか?
何故、人々が「消滅」し始めたのか?
これらの謎を解きながら僕らの世界を「本当に大丈夫なのか?」と問いかけてくる物語。
ホラーというよりはミステリィかSFか、あるいは、ひょっとしたら「トンでも本」に近い小説だ。(これらのいずれも、僕の好きなジャンルなんだけれどね。)
エンターテイメントとしては最高の小説になっているのが『エッジ』(鈴木 光司)だ。
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