2014年04月21日

お勧めの小説★透明な家族と一緒に住む?『キッチン』吉本ばなな(泉鏡花文学賞受賞)

お勧めの小説★透明な家族と一緒に住む?『キッチン』吉本ばなな(泉鏡花文学賞受賞)

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。

唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。

日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。

世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。

泉鏡花文学賞受賞。



表面的には恋愛の話だと思いますが、よしもとさんが描きたかったのは恋愛ではなく、この小説のしんとした透明な夜の感じとか、雰囲気、空気感だと思います。

読んでいると、この小説に出てくるシーンが、細かいディティールまで描かれて、私の頭の中では完全に映像化しています。

それは、温度とか、匂いとか、味がしてきそうなくらい、リアルです。ここまで読者に伝わる表現力は、本当に素晴らしいです。

恋愛の話だとか、この小説から何かを読み取ろうとか思わずに、その世界観にだだ触れたい、くらいの気持ちで読んだ方が良いと、個人的には思います。

高校二年生の夏、初めてこの小説を読んで、今まで味わったことのない透明な気持ちになり、不思議な気分になったのを覚えています。

ひらがなが多く優しく柔らかい文章で読みやすいと思うので、中学生、高校生の方にも是非おススメです!



ずっと読もうと思っていましたが、遅まきながら読むことが出来ました。

きっと当時、そして高校生、20前後まではこの本を読んでも僕は理解できたか微妙なところです。

今でもそうですが、両親は一応健在であり、喪失感というものを味わっていないからです。



小説の細かい技法などのことは全くわからないのですが、物語全体が大きな隠喩になっていると思います。

とてもとても不思議な世界です。極めて非日常的。

でも自分に流れている時間もきっと他の人から見ると非日常的なんだろうな。


村上春樹?阿部公房?それよりずっとわかりやすいかな?

いや少し歳をとったからそう感じるのかな?

よしもとばななさんの考え方が、文章のところどころににじみ出ていましたが、非常に共感することができました。


よしもとばななさんは、人の死というわかりやすい悲しみの設定を利用していますが、たとえ現状が幸せだとしても自分が孤独だと気付いてしまったとき、気付きながらもそこから逃げようとしている自分に気付いたとき、非常に大きな力をこの本は与えてくれるかもしれないなと思いました。

読む人の心の具合によって玉虫のように色の変わる可能性はありますが。


あと、恋に迷っている時にもいいのかな?

忘れかけた純粋なひとつの恋の形を描いています。

心の琴線に触れる、噂に違わぬ名作だと思いました。







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posted by ホーライ at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | より良く生きるために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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