「ローヌ・プーラン」は、今は「サノフィ」になっている。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ローヌ・プーランとは・・・・・・
1928年に、ローヌ化学工場会社(Société des Usines Chimiques du Rhône)とプーラン兄弟社(Établissements Poulenc Frères)が合併してローヌ・プーランを称した。
ローヌ社は1895年にローヌ川流域の化学工場が合同しリヨンで創業された。
プーラン社はパリで薬種商エチエンヌ・プーランにより創業され、その息子エミール(作曲家フランシス・プーランクの父に当たる)とカミーユ兄弟の代(1900年)に製薬会社として設立された。
その後、フランスを代表する総合化学・製薬企業として発展し、1980-90年代には国策企業として国有化された。
これ以後、医薬品を中心に据える方針をとった。
1990年にはアメリカの製薬企業ローラー(Rorer)を合併し、グループの中核である医薬品部門はローヌ・プーラン・ローラー(Rhône-Poulenc-Rorer)となった。
1997年には、化学品部門が分離しローディア(Rhodia)として現在に至る(日本法人はローディア株式会社)。
1999年、ローヌ・プーランはヘキストと合併しアベンティス(Aventis)となった。
さらにアベンティスは2004年、サノフィ・サンテラボ(Sanofi-Synthélabo)と合併し、サノフィ・アベンティスとなった。
農薬部門はヘキストとの合併により、アベンティス・クロップサイエンス(Aventis CropScience)となり、さらに2002年にはバイエルに買収された。
ローヌ・プーランにより創設された賞として、ローヌ・プーラン科学図書賞(その後アベンティス科学図書賞、現在は王立協会科学図書賞Royal Society Prizes for Science Books)などがある。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
この小説の本筋とは関係の無いところで社名が実名で出てきたのだけれど、どう寛大の眼で読んでも、ローヌ・プーランを「好意的」には紹介していない。
と言うか、むしろ、悪意すら感じる。
でも、まぁ、そうなんだろうな。
製薬会社というのはちょっと理性がほころんだら、「生物兵器」も「化学兵器」も簡単に作れるのだから、世間から見れば、ちょっと危ない存在と見えるのだろう。
今でも、製薬会社は医師会や厚生労働省とつるんで暴利をむさぼっている、という言葉をネット上で見かける。
たとえば、それは「抗がん剤」のことだったり、「向精神薬」のことだったりする。
いろんなことを言われながらも、僕たちは、ただひたすら、より良い薬を開発するしかないね。
で、本作だけど、これは・・・・・
孤独なテロリストの武器は、遺伝子操作で作られた恐るべきウイルスだった…。
衝撃のベストセラー「ホット・ゾーン」から3年を経てプレストンが放つ、エボラ・ウイルスを超えた戦慄。
前作のホット・ゾーンもノンフィクションとして相当面白かったけど、その作者がフィクションを書いたらどんなになるだろうと思って買ってみた。
そしたら、怖くて怖くて、そして面白い。
人物描写からウィルスに関する科学的な考察まで、読んでいて全て納得できます。
本書を読んで、クリントン大統領が「対生物兵器テロ」に対する予算を増額したとかしないとか。
![]() 【中古】 コブラの眼(上巻) /リチャードプレストン(著者),高見浩(訳者) 【中古】afb |