2014年05月05日

本格ミステリーの金字塔★『殺戮にいたる病』我孫子 武丸著

永遠の愛をつかみたいと男は願った――

東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

犯人の名前は、蒲生稔!

くり返される凌辱の果ての惨殺。

冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。


惨殺シーンは気分が悪くなるほど残酷、少し悪趣味かなと思った。

しかし、読み易く想像を膨らませる見事な表現力はすごいです。

読み始めに、エピローグで死んだ人は誰なんだろうと考えました。

読み進める内にその人の像は頻繁に変わっていくと思います。

登場人物が少ないので、結末は限られるんじゃないかと考えてました。

しかしラストに近づくにつれ、胃がキリキリと痛むような緊張感を味わいます。

先の展開が全く読めない、躍動感を感じる怒涛の展開。

そしてラストのページを読んで唖然としました。

はぁ?どういう事だ、と。少し考えて、俺は騙されていたと気付きました。

また読み返さねばと思わせる衝撃のラストです。

こんな騙しが用意されてるとは…。途中で気付いた人は天才です。

全部読んでも混乱しています。

なので、もう一度しっかり読み直さねばという気持ちにさせられます。

確かに不快な描写もありますが、最後に読んで良かったと思える作品です。



名作との評判は聞いていました。

かなり身構えて、邪推しながら読み進めていたにも関わらず、全く見破れませんでした。

読み終わったあと一瞬理解できませんでしたが、読み返すとじわじわとくるものがあり、読めば読むほど巧いミスリードだと気付かされます。


猟奇的な描写は我慢して読む必要がありましたが、この結末はやはり読んでおくべきです。

ご多分に漏れず唖然とできること間違いなしです。








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posted by ホーライ at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | SF・ミステリィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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