永遠の愛をつかみたいと男は願った―。
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。
犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。
冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
惨殺シーンは気分が悪くなるほど残酷、少し悪趣味かなと思った。
しかし、読み易く想像を膨らませる見事な表現力はすごいです。
読み始めに、エピローグで死んだ人は誰なんだろうと考えました。
読み進める内にその人の像は頻繁に変わっていくと思います。
登場人物が少ないので、結末は限られるんじゃないかと考えてました。
しかしラストに近づくにつれ、胃がキリキリと痛むような緊張感を味わいます。
先の展開が全く読めない、躍動感を感じる怒涛の展開。
そしてラストのページを読んで唖然としました。
はぁ?どういう事だ、と。少し考えて、俺は騙されていたと気付きました。
また読み返さねばと思わせる衝撃のラストです。
こんな騙しが用意されてるとは…。
途中で気付いた人は天才です。
全部読んでも混乱しています。なので、もう一度しっかり読み直さねばという気持ちにさせられます。確かに不快な描写もありますが、最後に読んで良かったと思える作品です。
![]() 【楽天ブックスならいつでも送料無料】殺戮にいたる病 [ 我孫子武丸 ] |
ラベル:我孫子武丸
【関連する記事】
- お勧めの本『タイムライン』マイクル クライトン
- お勧めの面白い本★『イエスの遺伝子』
- 脅威のお勧めの小説『ハサミ男』
- 僕にも言わせてくれ『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー著
- 不死は幸せか?『命の遺伝子』高嶋 哲夫著
- 本格ミステリーの金字塔★『殺戮にいたる病』我孫子 武丸著
- お勧めの小説■ハードボイルドな『愛こそすべて、と愚か者は言った 』沢木冬吾著
- エッ!?って思うこと間違いなしのミステリィ小説『葉桜の季節に君を想うということ』..
- お勧めの本『タイムライン』マイクル クライトン
- 千年残したい名作『果しなき流れの果に』小松 左京
- 驚愕の最後の2行。二度見は間違いない「イニシエーション・ラブ」乾 くるみ
- 1行で世界がひっくり返る★十角館の殺人
- 本格派ミステリィの金字塔■騙される快感「十角館の殺人」
- 既に古典とも言うべきSFの名作■「星を継ぐもの」
- 恐ろしいフィクション「津波」の恐怖■3.11の前に書かれた作品とは思えない!「T..
- オススメのミステリィ●死ぬのは1年だけ待って●『チェーン・ポイズン』
- 宮部みゆきのお勧め本★『おそろし 三島屋変調百物語事始』
- 人々が消え始めている●お勧めのSF小説●宇宙が数学で表せることの不思議さ、あやう..