タモリ倶楽部でも話題の「地理人」による、初の単行本。
グーグルマップさながらの空想地図から、都市のコミュニティデザインの魅力に迫る!
誰でもできるフィールドワークガイド。カラー図版多数。
「地理人」こと今和泉隆行による初めての単行本である本書は、ありえないほどリアルな空想都市へと、みなさんをご案内いたします。
こどものころの落書きにはじまる手描き地図から、著者はいかに、グーグルマップさながらの空想地図を描くに至ったのか?
みんならしさがマッピングされた空想地図は、〈多くの人が集まる商業施設や住宅地、人や自転車、車、バスなどの行き交う道路や鉄道などの交通機関、公園や川などが描かれています。
実在しない架空の都市地図ですが、現実的な日常を、見る人がいかようにも想像できるよう、それぞれのディテールをできるだけ細かく描いています〉
(「序──『未日常』のフィールドワーク」より)。
まだ見ぬ日常を手がかりにしつつ「みんなの想像力」を拡張する本書は、全国各地が「あなたの地元」になりうる、誰でもできるフィールドワークガイドブックです。
空前絶後の都市論が体感できる、ソーシャルデザインの世界にようこそ!
地図好きの「高低差マニア」や、電車やバスの路線図を眺めたりするのが好きな人はもちろん、町の中の看板やロゴマークや人の流れを観察するのが好きな人におすすめです。
カラー図版多数収録。
タモリ倶楽部で放送された『地図マニアの最終形 ひとり国土地理院大集合!』には驚かされました。
大規模な都市の精密な地図を、B0を2枚ぐらい並べるほどの大きさで描いている人が3人も登場。共通していたのは、3人とも若く、しかも小学校低学年ぐらいから架空地図を描きはじめていること。
また、2人は最初に描いた街を引きずっていたことも信じられませんでした。
さらに一驚を喫したのは、子どもの頃からの趣味なのに、最初から洗練されていたこと。
ごく普通にいい。利休か!と思うほど。
「そういえば都市計画はダ・ヴィンチが最もやりたかった事だ」と気づかせてもらいました。
趣味の王様、至高の仕事なのかもしれない、と。
この本では、番組で詳しく見せてもらった地図の背景まで教えてもらった気がします。
タモリ倶楽部でトップバッターとして登場した方は、子ども頃、父親のクルマに乗って行くドライブが大好きで、最初は道路地図を描いていたというんですが、今和泉さんも、父親がよく連れて行ってくれた「郊外行きのバスに乗り、終点まで行って帰ってくる」という純粋バス・トリップが好きだったそうです。
空想地図作家の方々はこうした小旅行が週末の楽しみという新興住宅地に育った感じ。
アメリカの子どもたちも昔は父親のクルマに乗せられて、ドライブに行って外でランチを食べるぐらいしか休日の過ごし方がなかったというのを聞いたことがあるんですが、日本でもモータリゼーションが進んで、マイカーやバスでどこかに行くことで時間をうっちゃるという家族の姿というのが80年代以降は増えていったのかな、なんてことも考えさせられました。
今和泉さんはアイソメトリック方眼紙を使って立体化するという試みもしていますが(p.30)、描いている中村市の架空トリップなんかを延々と描いているあたりも含めて、最終的には自分で描いた地図を立体に立ち上げ、その街をバスなり、クルマなりからの視点で見物するというところまでいったりして。
とにかく凄いです。
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