天才的遺伝子学者トム・カーターは、人間の設計図ともいえる遺伝子の内容をすべて解読する画期的装置を発明する。
彼は、一人娘ホリーの遺伝子を自らの装置で調べ、まもなく彼女が脳腫瘍を発病して1年の命となることを知る。
それが遺伝子情報から得たホリーの運命だった。
しかし、カーターは諦められない。
あらゆる可能性にしがみつき、娘の命を救おうとする。
そして、最後に残された道は、奇蹟の治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子、すなわち「神の遺伝子」の謎を解くことだった―。
神の遺伝子の謎が明らかにされるとき、ひとつの真理があらわれる―。
最先端科学がもたらす恐怖を描いた傑作冒険ミステリー。
遺伝子を全て解明できれば、血などからDNAのかけらでも、イエス・キリストを復活させることができないか?、という着想は単純。
だがシンプルなものほど骨太なのだ。
遺伝学者が、自分の娘が死ぬことを予期してその娘のために、禁断の神の領域に踏み入れていく過程は、生命倫理の最前線でもあり、「娘を救いたい父親」という感情移入しやすり物語でもある。
これは、おもしろかったなぁ。
映画化の権利がディズニーにすぐ売れたというのも納得。
娘の命を救おうとする天才遺伝学者と、キリストの遺骸を維持し続ける宗教秘密結社の攻防戦は、手に汗を握る。
非常にインスピレーションを感じさせる作品。
デヴュー策とは思えないほど、まとまった作品。
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