2014年07月15日

お勧めの面白い小説★『ライフボート』シャーロット ローガン

【お勧めの面白い本】


お勧めの面白い小説★『ライフボート』シャーロット ローガン


1914年、大西洋で豪華客船が爆発。

地獄絵図さながらの混乱を脱したかに見えた救命ボートだが、定員を超えた人数が乗り込んでいることが判明。

床からは海水が浸水し、日々食糧は減っていく。

死の恐怖が迫る一方、22歳のグレースにとってリーダーのハーディは頼もしく思えた。

しかしその独裁的な態度から、人々は彼に不信感を募らせはじめる。

そして嵐が訪れ…。

21日間の漂流の末に待ち受けていたものとは!?


新婚で22歳のグレースは、リヴァプールから夫とニューヨークに向かう途中で、この事故に遭遇した。

彼女は21日間の漂流の末に救出されるが、その後、裁判にかけられることになる。

それは、死刑判決もありうる容疑だと冒頭で明かされている。

「大事故の被害者」であるはずの彼女はなぜ、裁判を受けることになったのだろうか?









posted by ホーライ at 04:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 徹夜する本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月09日

本屋大賞受賞!『村上海賊の娘』

『のぼうの城』から六年。

四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、ケタ違いの著者最高傑作!

和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。

毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。

折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。

家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる!

第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。



本作は、信長の本願寺包囲に対し海上からの支援を試みる村上海賊そしてそれらに関わる多くの人々を描いた歴史小説。

「のぼうの城」の和田竜が4年の歳月を本作一つに捧げた(週刊新潮連載時から評判だったが)渾身の一作と銘打つだけの、いやそれ以上の面白さが本書にはある。

いいから早く買って読め!の一言。



題材自体は必ずしも目新しいものではない。

実際、信長との決戦を控えた本願寺側の描写から始まるところでは、「ありがち?」と一瞬思ったりもした。

しかし、そこから、「毛利水軍」と一般には描かれがちな「村上海賊」の面々の生き生きとした紹介、そして、本書の主人公である「史上最強のブスただしイケメン好き」な景姫のすんごい登場っぷりへと、矢継ぎ早に進む展開を密度の濃い描写と練度の高い語り口が支える怒涛の進撃にあっという間に本作の虜になっていた。

正しく「やめられない、とまらない」



海賊モノは実際ブームであり、マンガ「ワンピース」や映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」など人々の心を奪って離さない素晴らしいエンタテイメントが近年多数生まれている。

そうした先達に負けじと、本作は映画のような躍動感ある描写またマンガのような魅力的なキャラで溢れている。

実際、上巻の後半では、ワンピースの白ひげvs海軍もかくやと正にエンタテイメントな合戦絵巻が展開される。


特に、景姫のキャラ設定は、最強の戦闘力を除けば、全てがマイナススペックという点が実に魅力的。

それでいて、ネガティブなキャラには全くなっておらず、ヒロインという言葉が全く相応しくないようで、実はヒロイン然としているところも◎。

また、歴史知識の少ない人向けに随所で丁寧な解説部分が挿入されているが、実に違和感なく読める嵌め込み方も作者の巧みさが光るところだ。




本書はタイトルにもあるように毛利方についた村上水軍の娘、景(けい)の「行きて帰りし物語」である。

理想と夢を持った破天荒な海賊の姫が現実を知り挫折するが苦難を引き受け成長するというと簡単だが、そのプロセスは戦国の戦であるが故壮絶である。

上巻は主人公の破天荒ぶりが爆発し笑えるが、下巻に入るとシリアスな展開になる。

下巻はほぼ合戦の描写なのだが、これでもかというくらい人が死ぬ。


現代に比べ命の軽さを実感するが意外とその時代はそうだったのかと思わせるのは作者の筆力によるところかもしれない。

一方で登場人物の超人ぶりは、盛り過ぎだろうと突っ込みを入れたくなるが面白いので許してしまう。



家督を守るために戦う、海賊という名の海の侍の常識に主人公はどう向き合うのか。

読みだしたら止まらないので読み始める時は注意を要する。

私は土曜日を1日使ってしまい家族からひんしゅくを買った。


ジブリでアニメ化すれば大ヒット間違いなしです。









posted by ホーライ at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 徹夜する本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月01日

怖くても徹夜するほど面白い小説●ホラーの金字塔●リング、らせん、ループ、バースディ(鈴木光司)

ゴールデンウイークはこれで決まりだ!!


同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。

雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。

―そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。

少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。

浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。

期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。

静かにビデオが始まった…。

恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。



今さらなのだが、「リング」である。

まだ読んでない方は是非、今すぐに読んで欲しい。


一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

この忌まわしいビデオの中には、一体どんなメッセージが…!? 

恐怖とともに、未知なる世界へと導くオカルト・ホラー。


「リング」を読んだら続編の「らせん」、「ループ」、「バースデイ」の順に全作品を読まれることを強くお勧めします。



「リング」⇒「らせん」⇒「ループ」⇒「バースデイ」



少年少女たちが、なぜ死んだのかという謎解きよりは、1週間という限られた時間の中で、生き延びるための手段を見つけ出さなければならないという緊迫感が読者に言い知れぬ緊張を与える。

これだけでは単なるホラー小説として片付けられたかもしれない。

しかし、本当の恐怖は物語の終盤に差し掛かるにつれて、増大していく。

どこまでも限りなく続く、逃れられない恐怖を描いたホラー小説である。

四人の少年少女たちの謎の突然死に始まるこの作品で鈴木光司が見せてくれたのは、従来のオーソドックスなホラー小説にありがちな単なる戦慄・不安・緊張感・嫌悪といった感情だけではなく、斬新な概念の恐怖と、彼自身の才能の眩い輝きだ。


ホラー好きでなくとも絶対対楽しめますよ。


「ループ」や「バースデイ」の構想が有ったうえでの「リング」だったのだろうか?

もし、そうだとしたら鈴木光司は天才だ。


何はともあれ、今すぐに購入して、即、徹夜しよう。

これを読まずに死ねないね。



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リング (角川ホラー文庫)






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posted by ホーライ at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 徹夜する本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする