2014年07月18日

お勧めの面白い小説★『タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技』難波 義行

【お勧めの面白い本】


お勧めの面白い小説★『タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技』難波 義行


書名:タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技
 
著者:難波 義行
 
出版社:こう書房  2014年3月刊 


名司会者タモリさんは、絶好の雑談のお手本。

■目上の人やさほど親しくない知人・営業先の担当者などとの「かしこまった雑談スタイル」と友だちや家族との「フランクな雑談スタイル」の使い分け方

■なかなか乗ってこない相手のスイッチを入れる「3つの仕かけ」

■親近感がアップするコツ

■知らない話題でも盛り上がる方法――

相手が気持ちよく話しだす「しゃべらせ方」から盛り上がる「話し方」、すぐにツカえるワン・フレーズなど、誰とでも楽しく雑談ができて、好かれる!

タモリさん的雑談テクニックを分析・解説。雑談は、タモリさんから学ぶ!


話し方は、タモリさんから学ぶ!相手が気持ちよく話しだし、盛り上がるしゃべらせ方(「聞き方」「質問の仕方」)から、話し方(「組み立て方」「ネタの集め方」)まで。誰とでも楽しく雑談ができて好かれる!タモリさん的雑談テクニック。


この人が書いたひな壇芸人についての本が、私の中ではここ数年のベスト作品だったので買った。

やっぱりすごい分析力だ。

また例文が、「これタモさん(本文中の呼び方)がしゃべってるみたい!」と感じてしまうところもすごい。

また、どうもこの人は元スナックのマスターで、今は中小企業診断士だそうだが、だから読んでいて笑えるのに、論理的なんだ、ということもわかった。

最初の方で、タモさんが話し方のお手本だということが理解できたが、読み終わって、さらにそう感じた。

番組が終わったのは残念だけど、こうやっていろんな人がタモさんの魅力について書いて、そのすごさを多くの人が理解される。語り継がれたタモさんもうれしんじゃないかな。









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2014年07月06日

お勧めの本★『イベリコ豚を買いに』

謎だらけのイベリコ豚を追ってスペインへ!

「本当にどんぐりを食べているのか?」「イベリコという町はどこにあるのか?」「安売りセール肉は本物か?」……。

レストラン、スペインバルはもとより、今やコンビニ、回転寿司でもごく普通に売っているイベリコ豚。

高級食材として知られているはずのものが、いまや日本全国で手に入るのはなぜか?

そもそも、イベリコ豚はそんなに沢山いるのだろうか?

著者はそんな素朴な疑問をいだき、取材を始めた。

日本人が知らないイベリコ豚の「真実」を明らかにすべくスペインを目指した著者。

幾多の困難を乗り越え、現地に辿り着いた著者を待っていたのは、驚きの連続だった。……。


ローマ時代の遙か昔からスペインで幻の豚を守り育ててきた熱き男たち。

そして素晴らしい生ハム作りに命を捧げる職人たちとその家族のドラマを紡ぎながら、知られざるイベリコ豚の生態、そして食肉流通事情を解き明かしていく。

さらになりゆきでハム作りにも携わることになり……。


多様なジャンルをテーマに、多くの傑作ノンフィクションを世に出してきた著者がスペインと日本を舞台に描く、読み応えのある食ノンフィクション。








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2014年06月29日

超お勧めの本★『みんなの空想地図』

超お勧めの本★『みんなの空想地図』


タモリ倶楽部でも話題の「地理人」による、初の単行本。

グーグルマップさながらの空想地図から、都市のコミュニティデザインの魅力に迫る!

誰でもできるフィールドワークガイド。カラー図版多数。


「地理人」こと今和泉隆行による初めての単行本である本書は、ありえないほどリアルな空想都市へと、みなさんをご案内いたします。

こどものころの落書きにはじまる手描き地図から、著者はいかに、グーグルマップさながらの空想地図を描くに至ったのか?

みんならしさがマッピングされた空想地図は、〈多くの人が集まる商業施設や住宅地、人や自転車、車、バスなどの行き交う道路や鉄道などの交通機関、公園や川などが描かれています。

実在しない架空の都市地図ですが、現実的な日常を、見る人がいかようにも想像できるよう、それぞれのディテールをできるだけ細かく描いています〉

(「序──『未日常』のフィールドワーク」より)。



まだ見ぬ日常を手がかりにしつつ「みんなの想像力」を拡張する本書は、全国各地が「あなたの地元」になりうる、誰でもできるフィールドワークガイドブックです。

空前絶後の都市論が体感できる、ソーシャルデザインの世界にようこそ!


地図好きの「高低差マニア」や、電車やバスの路線図を眺めたりするのが好きな人はもちろん、町の中の看板やロゴマークや人の流れを観察するのが好きな人におすすめです。

カラー図版多数収録。


タモリ倶楽部で放送された『地図マニアの最終形 ひとり国土地理院大集合!』には驚かされました。

大規模な都市の精密な地図を、B0を2枚ぐらい並べるほどの大きさで描いている人が3人も登場。共通していたのは、3人とも若く、しかも小学校低学年ぐらいから架空地図を描きはじめていること。

また、2人は最初に描いた街を引きずっていたことも信じられませんでした。

さらに一驚を喫したのは、子どもの頃からの趣味なのに、最初から洗練されていたこと。

ごく普通にいい。利休か!と思うほど。

「そういえば都市計画はダ・ヴィンチが最もやりたかった事だ」と気づかせてもらいました。

趣味の王様、至高の仕事なのかもしれない、と。


 
この本では、番組で詳しく見せてもらった地図の背景まで教えてもらった気がします。

タモリ倶楽部でトップバッターとして登場した方は、子ども頃、父親のクルマに乗って行くドライブが大好きで、最初は道路地図を描いていたというんですが、今和泉さんも、父親がよく連れて行ってくれた「郊外行きのバスに乗り、終点まで行って帰ってくる」という純粋バス・トリップが好きだったそうです。

空想地図作家の方々はこうした小旅行が週末の楽しみという新興住宅地に育った感じ。

アメリカの子どもたちも昔は父親のクルマに乗せられて、ドライブに行って外でランチを食べるぐらいしか休日の過ごし方がなかったというのを聞いたことがあるんですが、日本でもモータリゼーションが進んで、マイカーやバスでどこかに行くことで時間をうっちゃるという家族の姿というのが80年代以降は増えていったのかな、なんてことも考えさせられました。

 
今和泉さんはアイソメトリック方眼紙を使って立体化するという試みもしていますが(p.30)、描いている中村市の架空トリップなんかを延々と描いているあたりも含めて、最終的には自分で描いた地図を立体に立ち上げ、その街をバスなり、クルマなりからの視点で見物するというところまでいったりして。

とにかく凄いです。









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2014年06月19日

●お勧めの本★世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え

●お勧めの本★世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え: 世界の第一人者100人が100の質問に答える


科学、哲学、社会、スポーツなど、子どもたちが投げかけた身近な疑問に、ドーキンス、チョムスキーなどの世界的な第一人者はどう答えたのか? 世界18カ国で刊行の珠玉の回答集!

●まだだれも見たことのない動物が、どこかにいるの? ----デヴィッド・アッテンボロー卿(動物学者、植物学者)

●ミミズを食べても大丈夫? ----ベア・グリルス(冒険家、サバイバルの達人)

●どうしていつも大人の言うことをきかなくちゃいけないの? ----ミランダ・ハート(コメディアン)

●夢はどんなふうに生まれるの? ----アラン・ド・ボトン(哲学者)

●世界を歩いて一周するには、どれくらい時間がかかる? ----ロージー・スウェイル=ポープ(走って世界一周した女性冒険家)

●どうして音楽があるの? ----ジャーヴィス・コッカー(ミュージシャン)

●エイリアンはいるの? ----セス・ショスタク博士(天文学者)

●サルはどうしてバナナが好きなの? ----ダニエル・シモンズ(ロンドン動物園飼育員)

●宇宙はなぜあんなにキラキラしているの? ----マーティン・リース(天文学者、英国王室天文官)

●動物はどうしてわたしたちみたいに話ができないの? ----ノーム・チョムスキー(言語学者、哲学者)

●惑星はなぜ丸いの? ----クリストファー・ライリー教授(サイエンスライター、コメンテーター)

●ハチはハチを刺せる? ----ジョージ・マクギャヴィン博士(昆虫学者)

●スポーツで負けてばかりのとき、どうすればやる気がでる? ----ケリー・ホームズ(陸上競技選手、オリンピック金メダリスト)

●なぜ戦争が起きるの? ----アレックス・クロフォード(戦場記者)

●どうして意地悪なんかするのかな? ----オリヴァー・ジェームズ博士(心理学者)

●いろんな肌の色をした人がいるのはなぜ? ----カール・ジンマー(サイエンスライター)

●世界じゅうでいちばん絶滅しそうな動物は? ----マーク・カーワーディン(動物学者)

●女の人には赤ちゃんが生まれて男の人に生まれないのはなぜ? ----サラ・ジャーヴィス博士(医師、コメンテーター)

●人はどうして永遠に生きていられないの? ----リチャード・ホロウェイ(作家、コメンテーター)

●わたしたちはみんな親戚? ----リチャード・ドーキンス博士(進化生物学者)

●時間は、はやくすぎてほしいときには、なぜゆっくりすぎるの? ----クラウディア・ハモンド(心理学者、ラジオ番組のプレゼンター)

●炭酸の飲みもののなかに、泡はどうやってはいるの? ----スティーヴ・モールド(科学番組コメンテーター)

●水にさわると、どうしてぬれている感じがするの? ----ロジャー・ハイフィールド(国立科学産業博物館の広報担当部長)

●本を書く人は、どうやってアイデアを思いつくの? ----フィリップ・プルマン(作家)

●エジプトのピラミッドはどうやって作った? ----ジョイス・ティルズリー博士(エジプト学者)

●食べものも水もなしにボートに乗っているとしたら、どうすればいい? ----ロズ・サベージ(手漕ぎボートで三つの大洋を単独横断した女性)

●わたしのネコはどうしていつも家に帰る道がわかるの? ----ルパート・シェルドレイク博士(生物学者、作家)

●神様ってだれ?
----ジュリアン・バジーニ(哲学者)
----メグ・ローゾフ(作家)
----フランシス・スパフォード(作家)

●いつかは過去に戻れるようになる? ----ジョン・グリビン博士(サイエンスライター、SF作家)

●ウシが一年間おならをがまんして、大きいのを一発したら、宇宙まで飛んでいける? ----メアリー・ローチ(サイエンスライター)

●どんなふうに恋に落ちるの?
----ジャネット・ウィンターソン(作家)
----デヴィッド・ニコルズ(作家)
----ロビン・ダンバー教授(進化心理学者)

●わたしがいつも、きょうだいげんかばかりするのはなぜ? ----タニア・バイロン教授(臨床心理学者)

などなど、素朴な100の質問に、世界の第一人者100人が答えます!



イギリス各地の小学生による100の質問に、第一線で活躍する専門家たちが真正面から回答した本。

子供の質問は、自分の子供に聞かれたらヘドモドしそうな難問ぞろい。

専門家たちの回答は、フレンドリーでわかりやすく、しかも誠実である。


この本をプレゼントされた子供は、読み進んでいくうちに、わたしたちが生きている地球、生物の進化、人間社会、わたしたちの体、その他いろいろなことについての理解を深めるだろう。

未解決の分野にもいつかは挑戦してみたい、と思うようになるだろう。
 


子供だけでなく、大人にとっても色々な意味で有益である。
 
わたしはメカ音痴なのだが、「自動車はどうやって動くの?」に対する、ロンドン科学博物館の学芸員の短い解説を読んだおかげで、ガソリン自動車のメカニズムがスルリとわかった。
 
「ウシが一年間おならをがまんして、大きいのを一発したら、宇宙まで飛んで行ける?」という秀抜な質問には、科学者とジャーナリストがタッグを組み、計算結果を示してくれているので、勉強になった。
 
「サルはどうしてバナナが好きなの?」に対するロンドン動物園の飼育員の説明を読んだら、バナナをほおばりながら東奔西走する日本の国会議員の先生たちの姿が脳裏に浮かび、その夜はシュールな夢を見た。
 
本書は、楽しいイラストつきだから、大人の絵本のかわりにもなる。
 
100人以上の回答者の口調を訳し分けながらも、さらりとした訳文のリズムが心地よい。
 
クリスマスプレゼントに、お年玉に、オススメの一冊である。









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2014年06月15日

お勧めの小説『阪急電車』

●お勧めの小説『阪急電車』


他愛とないば他愛のない話だ。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。

片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。

乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。

恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。


兵庫県の西宮市と宝塚市を結ぶ、阪急電鉄の支線を舞台にした、オムニバス形式の小説。

最初のエピソードは、図書館で同じ本を借りようとしたことをきっかけに男女が出会う、という超古典的な話。

まずは読者をほのぼのさせながら、次の章では、昔の恋人達への当てつけのためにウェディングドレス姿で披露宴に出席する女性を描いた、少し刺のある話が展開される。

なかなか面白く読める小説だった。

見事な舞台設定と場面切替え。

読みやすく、視覚に訴える描写。

わずか8駅しかない阪急電鉄今津線。

ひと駅ごとにニアミスを重ねながら、巧みに主役が交替してゆく。



まずは、往路。

宝塚から西宮北口行き。

ちょっとしたきっかけの男女の出会い。

冴えない友人に婚約者を寝獲られた復讐に燃える美女。

小さい孫を連れている夫に先立たれた老婦人。

乱暴な男に必死に連れ添う女子学生。

ちょっと背伸びしている騒がしい女子高校生たち。

彼女いない歴イコール年齢と彼氏いない歴イコール年齢の2人。



そして折り返し。

しかし、時は流れて半年後。

そしてまた、ひと駅ごとに主役達が切り替わる。

ブランドもののカバンを持つ騒がしいオバサン軍団の失礼な席取り合戦を皮切りに、往路で登場した人たちのその後のドラマが次々展開する。



ドレス。途中下車。燕。携帯電話。ランドセル。ミニュチュア・ダックスフンド。日本酒。


恋。嫉妬。喜び。強がり。寂しさ。涙。そして笑顔。


それぞれの物語が、沿線独自の雰囲気に包まれて、巧みにつながってひとつの世界が形成される。

女流作家らしい細やかな心理描写。

最初の女性の名前が復路の宝塚南口まで伏せられていたり、ちょっとした工夫もいくつかある。


もちろん、これはあくまでお話。

こんな都合の良い出会いばかりありえないだろうなんて、野暮なことは言いっこなし。

阪急今津線に幸あれ。









posted by ホーライ at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | より楽しく生きるために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする