2014年05月12日

科学冒険物語のひとつの完成形『ウバールの悪魔』(シグマフォースシリーズ)

激しい雷雨に見舞われた深夜の大英博物館で起きた爆破事件により、一人の警備員が犠牲になった。

博物館の学芸員のサフィア・アル=マーズ、サフィアの幼馴染みで大富豪のキャラ・ケンジントン、サフィアの元恋人の考古学者オマハ・ダンは、爆破事件がキャラの父の死の謎と関連があると知り、調査のためにオマーンの砂漠の失われた都市「ウバール」へと向かう。

一方、米国の秘密特殊部隊シグマフォースのペインター・クロウ隊長も、爆発の陰に無尽蔵のエネルギーを持つ反物質が存在していることをつかみ、身分を隠してサフィアたちに同行する。

だが、テロ組織ギルドも反物質を入手しようと狙っていた。

ギルドがペインターたちに差し向けた刺客は、ペインターのことを公私ともに知り尽くした人物だった。



GREEN BERET〈グリーンベレー〉、DELTA FORCE〈デルタフォース〉、NAVY SEALs〈ネイビーシールズ〉……米国が世界に誇る最強の特殊部隊。

だが、これらを超える最強の秘密特殊部隊があったその名は、SIGMA FORCE〈シグマフォース〉。

彼らは、殺す訓練を受けた科学者。ジェームズ・ボンドより切れ者で、危険度は2倍。

歴史×宗教×科学のハイブリッド・エンターテインメント!

全米で1300万部以上のベストセラー〈シグマフォース〉シリーズ、待望の原点の物語、遂に発売!


ロリンズの作品は、ある意味、米国の冒険小説やスパイ小説の最終段階ではないかと思えてなりません。

この人が語る世界はどこまでも真実に近いものを、あるいは4,5年したら現実になりそうなものを描き出してくれますので、あぁ、なるほどと感心しつつ読み進めてしまします。

いつも通勤時間に読んでますが、ついでにスマホで知らない地名を検索したり、画像を入手したり、結構楽しめますよ。

クライブカッスラーのイントロに似た過去のある世界から物語が始まるところ、地球規模の考古学、物理学、歴史、政治、宗教等の断片を組み合わせて見事に過去の出来事を再現する手腕等、すごすぎると言いたい。

本当は、日本の作家にもこんな作風の人が出てくることを願ってやまないのですが、どこか中途半端な作品になってしまうんですよね。

まぁ、ブツブツ言ってもしょうがないし、ここはクロウ隊長からピアース隊長へ引き継がれていくシグマの活躍を楽しむことで納得しておきたいと思います。








posted by ホーライ at 05:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月03日

「読まずに死ねるか!」オススメの大冒険小説●『虎口からの脱出』(景山 民夫)

「読まずに死ねるか!」オススメの大冒険小説●『虎口からの脱出』(景山 民夫)


景山民夫は大好きな作家、エッセイストだった。

最後は事故死(?)的なガス中毒で亡くなった。

エッセイも小説も大好きだった。

80年代、ビートたけし達とテレビのバラエティー番組でふざけていたイメージが強かった景山民夫。


これがもう、面白いのなんの。

国内の冒険小説では久しぶりに、寝る間も惜しんで一気読みしてしまった。

ストーリー、テンポ、情景描写、人物設定すべてが文句無し。

手に汗握る興奮の世界へ読者を誘う冒険小説の大傑作。

まだまだこれから、という歳でこの世を去ってしまった事が残念で仕方ない。

もし、今でも生きていたら、どれ程面白い作品を書き残していただろうか。

そう思わずにはいられない。


本書は「冒険小説」だ。


時は昭和3年、所は奉天。

一瞬の爆風と共に張作霖暗殺さる。

唯一の目撃者である少女、麗華を追って関東軍が立上がる。

奉天軍も動き始める。

そして国民党軍も…。

上海まで1600キロ、期限は3日。

日中全軍を敵に回した脱出行、車輪よ駆けろ!

待望の書下ろし長編冒険小説。


ページをめくるのがもったいないほど面白い、読んでいる途中で、まだ残っているページがこんなにあるのか、と先の展開が嬉しくなる。

そんなときこそ読書の至福の時。


僕にとってこの作品はまさにそういう作品でした。

まるでハリウッドの一級のエンターテイメント映画を見ているかのよう。


古本屋で100円で売られているのをみて、嬉しいやら、悲しいやら。

「読まずに死ねるか!」です。


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posted by ホーライ at 04:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険もの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする