2014年06月11日

お勧めの小説『キャッチャー・イン・ザ・ライ』

●お勧めの小説『キャッチャー・イン・ザ・ライ』


さあ、ホールデンの声に耳を澄ませてください。

村上春樹の新しい訳でお届けする新世代の『ライ麦畑でつかまえて』

J.D.サリンジャーの不朽の青春文学『ライ麦畑でつかまえて』が、村上春樹の新しい訳を得て、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』として40年ぶりに生まれ変わりました。

ホールデン・コールフィールドが永遠に16歳でありつづけるのと同じように、この小説はあなたの中に、いつまでも留まることでしょう。

雪が降るように、風がそよぐように、川が流れるように、ホールデン・コールフィールドは魂のひとつのありかとなって、時代を超え、世代を超え、この世界に存在しているのです。

さあ、ホールデンの声に(もう一度)耳を澄ませてください。



「古典は口に苦い」。

先輩や親や教師からどんなに薦められても、文章は読みづらいし、物語も当然のことながら今から見れば古くさい。

そんなわけで、つい、最近出たミステリーや恋愛小説に走ってしまう。

でも、ここに、50年も前に出たのに、読みにくいどころか実に生き生きとした快調なテンポで語られ、洒落ていて、ユーモアもたっぷり、しかも今の我々につよく訴えかけてくる、大げさに言えば読んだ人間の一生の友になるような本がある。

これまで『ライ麦畑でつかまえて』(野崎孝訳)というタイトルで長いあいだに日本でも二百万人に近い読者に愛されてきたアメリカの青春小説だ。



主人公のホールデンは有名高校の生徒で、作文だけは誰にも負けないが、あとの学科はからきしダメな16歳の少年。

彼は自分の学校の先生たちや同級生や何もかもにうんざりしている。

物語は彼が成績不良で退学になる直前の冬、自分から学校をおん出るところから始まる。

ニューヨークの街をさまよいながら彼は昔の先生や友人やガールフレンドに再会していくが……




僕が今までに本のタイトルだけ見て、中身は一切知らずに買って、まったく後悔しなかった本が3冊ある。


●庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」


●サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」


●村上春樹の「風の歌を聴け」


これだから、読書は止められない。
















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2014年06月09日

お勧めの小説(村上春樹訳)「華麗なるギャツビー」(グレートギャツビー)

村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。

新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語―。

読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。


アメリカ東部の高級住宅街でボクはギャツビーという男と出会った。

彼は対岸にある一軒の家を眺められる場所に居を構えている。

対岸の家とはデイジーという長年の思い人が夫と幼い娘とともに暮らす場所だった。

ギャツビーはデイジーの心を再度自分に向けようと試みるのだが、ある悲劇がふりかかかる…。

 
私がこの小説を手にするのはこれで3度目です。

もう20年以上も前にPenguin Classics版『The Great Gatsby 』を手にしたのが最初です。

冒頭と末尾の文章の美しさに強烈な印象を受けたことを覚えていますが、比較的難解な英語で綴られた全体像は基本的な展開を読解するのでせいいっぱいだったという記憶があります。
 

2度目は野崎孝訳の新潮文庫版『グレート・ギャツビー 』。

こちらも日本語訳は読みやすかったという印象がありません。

 
今回の村上春樹訳でも文章は心なしか装飾的な気がします。
 
しかし今回巻末の訳者あとがきを読んであらためて分かったのは、「『グレート・ギャツビー』はすべての情景がきわめて繊細に鮮やかに描写され、すべての情念や感情がきわめて精緻に、そして多義的に言語化された文学作品であり、英語で一行一行丁寧に読んでいかないことにはその素晴らしさが十全に理解できない」小説だということです。
 
「この原文がまた一筋縄ではいかない。空気の微妙な流れにあわせて色合いや模様やリズムを刻々と変化させていく。その自由自在、融通無碍な美しい文体についていくのは、正直言ってかなりの読み手でないとむずかしいだろう。」

 
村上春樹訳でその美しい文体がどこまで英語から日本語にうまく移植されたのかは分かりませんが、3度目の挑戦でおぼろげながらギャツビーの魅力が見えて気がしたのも事実です。

 
いずれ再度英語で手にして4度目の挑戦をする必要があるかもしれない。
 
そんな気分がしています。









posted by ホーライ at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | より楽しく生きるために | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月06日

お勧めの小説『弥勒』篠田 節子著

●お勧めの小説『弥勒』篠田 節子著


ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。

新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。

そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。


大作。

こんなにいっぺんに、たくさんのことを語りかける作品は他にないんじゃないの、と思うくらい、さまざまなことを問うている。

美とは何か、宗教とは何か、政治とは、国とは、人間とは・・・。

なのに盛り込みすぎの感もなく、内容に破綻がない。



架空の国の物語なのに、絵空事の物語とは全く感じられず、強い吸引力で小説世界に引き込んでゆく。

主人公・永岡とパスキムという国が、どういった運命をたどるのか、追いかけずにはいられない。

没頭してしまう。

すごい。



美の鑑賞者であり賛美者である永岡。

培われた歴史と文化の中で生み出される奇跡のような美は、何よりも尊く、人の命を代償にしてでも守り抜かなければならない、と考える彼の価値観。

不遜ながらも高邁な彼の精神は、安全で豊かな暮らしを当然のこととして享受しうる基盤があるからこそのものだろう。

洗練された現代人であった永岡が、原始的な生活を強いられたとき、彼の心はどう変わるのか。

変わらないのか。そしてもし、それが自分だったら?つきつけられる疑問は、難しく、怖い。

さらりと軽く楽しく読み流せる本ではないが、読み応えは満点。タイトルの堅さとページの厚さで、敬遠しないでほしい。






弥勒 講談社文庫 / 篠田節子 【文庫】

弥勒 講談社文庫 / 篠田節子 【文庫】
価格:987円(税込、送料別)




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